順列都市〈下〉

下巻は後半からSFって感じで、
宇宙原理をめぐるドタバタがスピーディーに展開した。


私の頭では全然理解できてないと思いますが・・・
思ったことを。


シミュレーションの規則が現実の物理法則を凌駕していく、
という状況は、一見荒唐無稽なんだけど、
量子論が世界を覆っている今、
自分にとっては神を信じるよりも、
真に迫るから面白いと思うのだろうな。
神(登場人物達)はこの小説でも否定されているのだ。
ラスト、オッカムの剃刀的には、もしくは肯定されているのかもしれないが。
(=ラストは高次のデザイナーの存在の示唆?だと受け取れる、
シミュレーションがシミュレーションするなら、自分もシミュレーションで・・・という話)


科学の最先端を踏まえて、
未来を自由に思い描くのがSFだと思うから、
この本は先端のSF小説なんだと思う。


自己とは何か、という主題も大変興味深かった。
連続性(塵理論http://ow.ly/6aqTpとかポール・ダラムの実験)、
唯一性/同一性(コピーとオリジナル)、
単独性(←→ランバート人の集団性)
という側面でいろいろな示唆をくれると思う。


http://transact.seesaa.net/article/39843346.html
http://d.hatena.ne.jp/gamaguchi/20070207/p2
http://www14.atwiki.jp/qusf/pages/64.html
http://umiurimasu.exblog.jp/9083199/
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/1035/tuzureE2.html
http://d.hatena.ne.jp/SuzuTamaki/20080802/1217660154

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF) [文庫]
グレッグ イーガン (著), Greg Egan (原著), 山岸 真 (翻訳)