予想どおりに不合理

どうして私たちの行動は不合理なのか、
さまざまな実験を通して解き明かす本。


行動経済学という分野を著者のDan Arielyが突き進む。
筆者は2008年に
「同じ偽薬(プラセボ)でも値段が高い方が効き目がある」という研究で
イグ・ノーベル医学賞を受賞している。


文体も面白いし、一章が30ページくらいで、
お固い本ではない。
amazon.com Besk Books of 2008 ビジネス書部門 第1位です。


目次を書いておこう。
だいたいこんな本だ。


1.相対性の真相
  なぜあらゆるものは――そうであってはならないものまで――相対的なのか
2.需要と供給の誤謬
  なぜ真珠の値段は――そしてあらゆるものの値段は――定まっていないのか
3.ゼロコストのコスト
  なぜなにも払わないのに払いすぎになるのか
4.社会規範のコスト
  なぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらったとたん楽しくなくなるのか
5.性的興奮の影響
  なぜ情熱はわたしたちが思っている以上に熱いのか
6.先延ばしの問題と自制心
  なぜ自分のしたいことを自分にさせることができないのか
7.高価な所有意識
  なぜ自分の持っているものを過大評価するのか
8.扉を開けておく
  なぜ選択の自由のせいで本来の目的からそれてしまうのか
9.予測の効果
  なぜ心は予測したとおりのものを手に入れるのか
10.価格の力
   なぜ一セントのアスピリンにできないことが五十セントのアスピリンならできるのか
11.私たちの品性について その1
   なぜわたしたちは不正直なのか、そしてそれについて何ができるか
12.私たちの品性について その2
   なぜ現金を扱うときのほうが正直になるのか
13.ビールと無料のランチ
   行動経済学とは何か、そして、無料のランチはどこにあるのか


私たちの選択は見えない力によって影響されていることが、
よくわかる。
お薦め。



以下のリンクは増補版のものです。

予想どおりに不合理[増補版] [ペーパーバック]
ダン アリエリー (著), Dan Ariely (著), 熊谷 淳子 (翻訳)